株で億り人、億トレーダーになった弟を持つ男の思いを書いています。

億り人
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小説本編 第31話~40話

第33話 弟の大復活と自分の器

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妻の妊娠がわかり、期待と不安でいっぱいだった。そんな中、デイトレの調子は戻ったかに見えた。事実収支だけを見れば最低限の利益をあげることは出来ている。

無理をしなければ安定すると思える内容でもあった。

前回のお話はこちらです。

第32話 労働審判の結審と妻の妊娠発覚

労働審判もいよいよ大詰めだ。1年近くかけて準備したものが実りの時期を迎えようとしていた。 全てが決まる3回目の労働審判だ。 前回のお話はこちらです。 労働審判の結審 2回の労働審判を経て、ほぼこちらの ...

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弟の再躍進

12月、塾では冬期講習も控える。

何事もなく普通にデイトレで勝って普通に冬期講習をして普通に過ごせれば良かった。

実際に俺は10万強の利益で終え、妻も安定手法に変えつつあり、3万の利益が残せた。

これでいいと思える1か月が過ごせたはずだった。

しかしこれでいいとは思えない出来事もあった。

 

弟の再躍進だ。

弟が多額の資金を手にしたのはアベノミクスによるものだ。

弟が億り人になったのはスマホゲームなどのテーマ株バブルによるものだ。

弟が陥落した後、再度億り人になり過去最高資産を構築出来たのはバイオ株バブルによるものだ。

弟がセミナーに参加した際、寝て起きれば株が大きく上がるのなんて10年に1度あるかないかの最高の地合いなんだと説明されたらしいが、全てその地合いに味方してもらったものだ。

俺は勝手に思い描いていたんだ。

俺は平凡に兼業トレーダーとして生活費を稼ぐ。

弟は勝てなくなるだろうが金はあるし、どこかで俺のようなコツコツトレーダーに転身し、専業トレーダーとしてサラリーマン並の稼ぎをするようになる。

妻は家事の合間に時々デイトレをたしなむ。

そんな3人でありたい。しかしそれは単なる願望に過ぎない。

弟は再び俺を置いて躍進した。

今度は今までとは違う。大したテーマもなかった。バブルと思えるような状況ではなかった。アベノミクスの恩恵を受けるような相場ではなかった。地合いが味方したわけではないのだ。

弟はこの12月、2100万勝ちを達成した。

資金は実に3倍以上になっていた。

 

俺は怠け者だ。怠け者ではあるが、努力家だ。

スイッチのオン、オフが極端なのだ。

弟が4000万を稼いだという話を聞き、やる気に満ち溢れた。いつの日か追い付ければいいなという希望もあった。しかし俺が復帰した時期は少し遅く、絶好の地合いではなくなっていた。

だから俺は弟ほど勝てなくても仕方ないと思えた。

それから地合いは悪化し、バブルではなく平常運転になっていった。それと同時に弟は伸び悩んだ。俺もやる気を失ってしまったが、生活費くらいなら稼げるという自信は持てた。

それでもそれ以上を望むことはなかった。

俺は相手の失敗を望まない。これは自分で自分の良いところだと思っている。

弟と勝負をするとして、弟が成功したのなら、弟が陥落するのを望むのではなく、俺自身も同じ位置まで上りつめる努力をするタイプだ。良い意味でのライバル心を持てるのだ。

弟が再覚醒したとなると、いつもの俺ならばやる気が復活するところだ。

スイッチがオンになればどんなことでも出来る。寝る時間がどんなに少なくても平気になる。5月、6月がそうだったように携帯ゲームとかけもちでもなんのそのだ。

しかし今回はスイッチがオフのままだった。というよりも電源まで落ちてしまったようだった。

 

前回と違い、俺も弟もずっと相場を見ていた12月。

12月初頭は証券口座に入っていた金額もほとんど同じだった。

同条件の中、俺は10万強の利益で弟は2100万の利益だ。

完全に実力差を見せ付けられた格好になった。

勝負じゃない。弟との勝負じゃないんだ。そんなことはわかっている。

兄より優れた弟など存在しないなんて言いたいわけではない。

ただこれだけの差を見せ付けられて奮起出来るほど俺の精神は強くない。

これから勝てなくなってしまうだろうと予想した弟が突然の再覚醒で資金を3倍にした。この時点で俺の予想は大きく外れている。そして3人とも平凡に暮らすという願望からも外れていた。

実はさらにもう1つ隠れた予想と隠れた願望があった。

それは弟がいつかまた大きな財を築くことがあるだろうということ。長く生きていればまたバブルがくるだろう。そして弟は確実にそれをモノにし、大勝ちをすると予想していたのだ。

そしてその時こそ俺も一緒に大勝ちして一緒に大金持ちになりたい。

そんな願望があった。

全ては弟基準だった。

弟がこのまま平凡に暮らしていく専業トレーダーになるならば俺もコツコツ稼ぐ兼業トレーダーとして塾と両立していけばいい。しかし弟が財を築くのであればその時は俺も!という思いだ。

完全に打ち砕かれた月となった。

表面上は冷静を装った。

10万以上の利益が出た。冬期講習も頑張っている。赤ちゃんも出来た。

順風満帆じゃないか。幸せだ。幸せだよとっても。

でもどこか虚しさを感じてしまうのだ。

改めて自分の器に気付かされた俺は、その虚しさが表面に出ないよう必死だった。

株ってなんだ?

デイトレってなんだ?

たった1か月でこんなにも状況が変わるものなのか?

1か月で資金が3倍になるってなんだろう。

他の人もこんな感じなのだろうか。

弟だけなのだろうか。

俺はずっと他人に興味がなかったが、この時初めて他の人がどうなのか知りたいと思った。

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弟側のノンフィクション小説も連載中です
株で億を4回つかんで4回破産した男
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