株で億り人、億トレーダーになった弟を持つ男の思いを書いています。

億り人
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小説本編 第1話~10話

第9話 人生最大の負け額にデイトレーダーとしての限界を感じる

投稿日:

変わらぬ日々に何かしなきゃ、何かしなきゃと思っていた。弟が再び成功したことも引き金となっていた。長いこと頑張ってきたことをほんの一瞬で抜かれることもある。

この恐怖は多くのものを狂わせていく。

前回のお話はこちらです。

第8話 煮え切らない日々

弟が相場から退場してしまい、また孤独なトレーダーに逆戻りした。家庭教師は相変わらず順調で、独立し、2010年には3人の受験生を受け持つことになる。 しかし様々な要素が重なり、精神的にパッとしない毎日が ...

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信用取引の無限ナンピン

俺はデイトレ専門になって以降、空売りのTOBによる50万負けさえ除けば立ち直れないレベルの大負けはしていない。負けないことを優先したトレードをしていたからだ。

しかしこのままでは上に行けないことも痛感していた。

弟のキャパで考えると俺の稼ぎなど誤差の範囲ということもわかった。

1~4月で100万円ほどの利益を出せた。

今までよりもペースは良いが、劇的に変わったわけではない。

変わるならいつ・・・。そう思っていると、今しかない!と思えることが起こった。

5月に入り1日で10万円以上勝つことが出来た。

投資金が増えてきているのも影響したのだろう。信用取引を使えば1000万円以上投資することが出来た。

人は上を見るとどうしてもリスクに対して盲目になる。

1日で10万円も勝つことが出来たことで完全に浮かれてしまったのだろう。

その翌日、デイトレーダー人生において最も大きな負け額を計上することになる。

朝のトレードで含み損を抱えたものの、ナンピンといって下の価格で買い増しをすることで危機を脱したり、より大きな利益につながることが今までは多かった。

この日もなんとなくでそういうデイトレをしていた。

しかし下でいくら買っても株価は戻らない。それどころかどんどん下がっていった。

徐々に俺の精神もおかしくなっていく。

そして違う銘柄にも手を出し、大きな含み損へと成長していった。

当時の信用取引は現在とは少し勝手が違う。

1日の信用取引枠が1000万円だった場合、300万円分買って、それを売却した後は、700万円しか使うことが出来なくなるのだ。

そしてその700万円をトレードに使えばその日の信用取引はもうおしまいだ。

そういうわけで軽々にロスカットが出来ない。

もちろん必要な時はロスカットしなければいけないことはわかっている。

それでも大きな利益を出したいと思うなら、全ての投資機会で利益にしたいと考えてしまうようになっていた。

下がれば下がるほどナンピンしていき、無限ナンピンモードへ。

午前中が終わり、含み損は27万円にまで成長していた。

とてもじゃないけど受け入れられる額ではなかった。

それでもまだこの時、どこかで助かるんじゃないかという甘い気持ちも持っていた。

午後から株価は戻っていくはずだと思い込んでいたのだ。

しかし午後になると一段と相場の雰囲気は悪くなり、俺の所持株もどんどん値下がりした。

大丈夫、大丈夫と思っていた俺の心は徐々に焦りへと変わっていく。

まずい・・・まずいまずい。

いよいよ50万円負けも見えてきた。2月の悲劇を繰り返すつもりか。

それでも止まらない株価の下落。

俺の焦りは怒りに変わり、テーブルに八つ当たり。

それでも止まらない下落でついに怒りから放心へと変わっていった。

彼女へ泣きのメール。ただただゴメンとしか言えなかった。

後はもう株価の下落を眺めるだけだった。

自分の中で持ち越しをしないという唯一絶対のルールを設けていたため、この日も15時で全てを売却した。それだけ破ることなく実行していた。

恐る恐る見てみると83万円の負けだ。

83万円ってなんだ?

弟の月収が100万だと考えても1か月分の給料。

普通のサラリーマンならば3~4か月分の給料。

俺の1~4月という4か月分の利益の大半。

これがたった1日、厳密に言えば9時~15時の6時間だけで消えたのだ。

わかってもらえるだろうか。

4か月分の努力がたった6時間でパァになるつらさを。

そしてそんな時でも8000円のために家庭教師に向かう悲しさを。

家庭教師の休憩時間、タバコを吸いながら思った。

やっぱり俺にデイトレーダーは無理だ。

賢明な判断だろう。どれだけ頑張って稼いでもこういう日があるならば本当に無意味だ。そして精神的にもどんどん病んでいってしまうだろう。

そうなる前になんとかしなければならなかった。

お金の面だけじゃない。精神面の健康が大事だと思った。

株の負けは本当に精神を蝕んでいく。

部屋に誰かいるわけではないのに、誰かにどんどん追い詰められていく恐怖を感じる。

コツコツドカンと呼ばれるこの負け方は素人の典型、負け組の典型だ。

俺は勝てるようになった「つもり」だったのだ。

お小遣い稼ぎ程度なら今後も出来るかも知れない。

しかし仕事としては到底無理だ。

稼がなければならないと考えれば考えるほどロスカットは出来なくなる。

そしてロスカットをしなければ数か月に1回こういう負け方をするだろう。

その夜、彼女はまたしても優しく声をかけてくれた。

普段は怖い彼女もこういう時はとても優しい。しかし結婚へのリミットは刻一刻と近付いていた。

こんな状態では結婚なんて無理だ。

この日を境に俺の心は大きく変わっていく。

いよいよトレーダー卒業の日へと向かっていくことになる。

その陰で、1人の中退したはずのトレーダーが再入学しようとしていた。

出会いあれば別れあり。退場あれば入場あり。

トレーダーの世界も目まぐるしく変わっていくのだった。

弟側のノンフィクション小説も連載中です
株で億を4回つかんで4回破産した男
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