激動の1年間だった。家が欲しいと言われ、弟との差を痛感させられたことで始まった2016年。とんでもない絶望感の中で始まったわけだが、その絶望が俺を強くした。
思えば俺はいつも絶望に力をもらっているような気がする。
前回のお話はこちらです。
第64話 ソーシャルレポーターデビュー
オフ会を通じて人との関わりの素晴らしさを知った。厳密に言えば共通の趣味、共通の話題を持った人との関わりはかけがえのないものなんだと改めて知ることが出来た感じだ。 俺は気の許せる友達が少ない。中学時代の ...
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1年間の結果と弟の近況
11月に復活を遂げた俺は12月も全勝で52万勝ちになった。これは満足出来る結果だった。金額だけで考えれば満足してはいけないものでもあったが、内容が非常に良かったからだ。
全勝ということもあってストレスも感じることがなかった。
冬期講習が始まってからもうまく出来ていたし、当然夫婦喧嘩もなかった。
うまくいく時はこんなものだろう。
忘年会でも心から楽しむことが出来、皆に堂々と近況報告も出来た。
ただもちろん俺のゴールはこんなところではない。家を買うことだ。なぜこんなでかい目標を持つことになってしまったのか・・・。まぁ大好きな妻が家欲しいって言うんだから仕方ないよな。
そういえば弟はどうだったんだろうか。
不思議なものでここ数か月、少しは気にしていたものの前ほど気にならなくなっていた。自分のことでいっぱいいっぱいだったというのもあるだろう。
でもどっちかわからない。
悩んだ時も必死に頑張って、夫婦喧嘩も全力でして、遊びも散財も一生懸命で、デイトレ復活して、オフ会もして、ソーシャルレポーターデビューもして、忘年会も心から楽しんだ。
そんなリア充生活があれば周りのことは気にならないということか。
デイトレーダーとして弟に対しては心のどこかに劣等感を感じていて、自分の努力ではそこに到達することは出来ないと悟ってしまった状態だ。そりゃ絶対無理に決まってる。
独身ならまだしも、家族を養うどころか家を買う目標を持った状態で破産と隣り合わせのようなデイトレが出来ようはずもない。いや家を目標とするからこそ、それをすべきなのか?
いや違うだろう。
そういう問題ではなく、器の問題、心の器の問題だ。
良いか悪いかという話ではなく、俺の心はそんなトレードに耐えられない。
すぐにパンクしてしまうに決まってる。
つまり俺は弟と同じ土俵に立つことさえ出来ないのだ。そんな心だから劣等感は消えない。
リア充していればその劣等感はそう簡単に顔を出さない。顔を出す暇さえないのだ。
なるほど、思えば今年の初旬も気にならなかった。覚醒するために必死だった。そのかいあって2月、3月には月収100万を余裕で超えていくことが出来た。充実期だった。
しかし現実を突き付けられた4月、5月は悩んだ。
その時に知った弟の第3次億り人。それ以降しばらく続いた俺の伸び悩み。
この期間はずっと気にしてしまっていたのだ。
リア充していなくとも、自分が必死になってもがいた10月はもう気にならなかった。
兄弟と言えども他人は他人。弟が俺に家を買ってくれるわけではない。だから弟がいくら勝とうが負けようが俺自身が頑張る以外に道などないのだ。
誰かを気にするというのは結局その事実から目を背けているに過ぎない。
俺は俺のことをやるんだ。とか言いながらどうせまた気にするだろうけどね。
2016年も終わり、弟と久々の再開だ。
弟とは定期的に会うことは会っている。何せゲームの対戦を楽しんでいるわけだし、弟は俺の子どもと仲良しでよく遊んでくれている。子どもは人見知りだが、弟のことはおじちゃんおじちゃんと言って懐いている。
大体が正月、ゴールデンウィーク、お盆休みに遊ぶ感じだ。
俺「最近株どうなの?」
弟「生活費もやばいんだよね(笑)」
俺「はっ!?どういうこと?」
弟「8月くらいまではなんとか踏み止まってたんだけどそこからヤバかったんだ」
俺「ずっと負けたの?」
弟「負けてヤバくなってから800万くらい勝ったりしたけどまた全部負けた感じ」
相変わらずすごいスケールだった。ブレグジットで大負けした時もまだまだ資金的には余裕があったはずだ。しかし下り坂に突入していたことだけは間違いない状況。
以前と同じように下り坂は1番下まで落ちないと止まれないということか。
いや、そういうわけでもないのか。
1回下まで落ちた後に800万勝つということがまた恐ろしい。本当にどこからでも死ねるけれど、どこからでも復活出来るのが弟の強味だと再認識した。
年末に向けて復活したかに見えたところ、最後は新規上場株、IPOの激しい値動きによってトドメを刺された形になったらしい。
なんでここまで極端なんだろう。
俺は弟の失敗なんて望んでいない。家族の幸せを願うのは当然のことだ。
ただ3億も5億も10億も稼がれてしまっては兄としての立場がないということで、そういう大成功どころか超大成功までいくのは勘弁して欲しいというだけのこと。
1億までいったなら半分下ろして家でも買って、残りのお金でデイトレを楽しみつつ普通の生活をする弟がいればそれが1番いいんだ。
弟の人生なんだから俺が口を出していいわけではない。
でも弟が1億いく時は決まって身の毛もよだつフルレバ状態だけにあっさり3億、5億といってしまいそうな雰囲気と勢いを感じる。そして失敗するとあっさり地に落ちてくる。
真ん中でプカプカ浮かんでるイメージがまるでないんだ。
そしてここまで落ちても、それを笑いながら俺に話せる精神力・・・すごいわ・・・