兄弟揃って踏み止まった5月。しかしすぐに大きな大きなイベントが待ち受けていた。株式投資は本当に一寸先がどうなるか読めない。俺のようなコツコツ派でさえ大きな変化が起こる。
弟のような激動型からすると本当にどちらにもあっさり転ぶものだ。
前回のお話はこちらです。
第58話 踏み止まる兄弟
兄を尻目にあっさりと3度目の億を達成した弟だが、今回もまたあっさりと陥落することになる。さすがに3回目となれば半分出金するなどの対処法はいくらでもあったはずだ。 しかし今回も抵抗なく陥落。すごいのかダ ...
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破産の足音
俺は5月の逆転勝利をきっかけに完全に立ち直っていた。土俵際で踏み止まり、そこから好調だった1~3月のようなトレードが出来るようになっていったのだ。
対して弟は6月頭からズルズルと負けていった。
今年ここまでの流れが物語るように、俺の好調期は弟の不調期と重なりやすい。
逆張りメインの俺が好調ということは、順張りメインの弟からするとやりにくい相場になるということかも知れない。ただそれにしてもここまで顕著に表れるものなのかと思うほどだ。
以前の弟と少し違うのは、ドカンと大きな負けをするわけではない。
小刻みに小さな負けを積み重ねているのだ。小さな負けと言っても数百万円規模だが・・・。
せっかく5月の後半で踏み止まり、取り返した2000万もあっさりと吹き飛んだ。
その後も負け続け、イギリスブレグジットの大荒れ相場でついにブログから姿を消してしまった。
このブレグジットまでで実に5000万のマイナスを計上していた。考えるだけで青ざめる額だ。5000万・・・5000万だぜ。家買えるんだよ。俺らが欲しいのは2000~3000万の家だ。
それなのに弟はたった半月ちょっとで5000万負けてるんだ。
っというか5000万も負けられる余地があるなら俺は絶対家買っちゃうけどな。
このイギリスブレグジットでは、投票日の朝から非常に荒れた相場になっていた。株価の上下に影響する流れから言えば、最初の方は下落するような地区から開票され、後から上昇に影響する地区が開票されるというものだった。
まさにその通りで午前中は下落が続いた。
これで午後からは大きな巻き戻しがあれば大儲けも可能という状況が出来上がった。
しかし午前中が終わる間際、かなり危険な動きをしたため急遽俺は狙っていた午後への持ち越しを取りやめた。
すると昼休みになっても上昇側に有利な情報は流れない。いやそれどころかどんどん下落方向のニュースが色濃くなっていった。これは危険過ぎる。
そう思った俺は後場に警戒レベルを上げた。
元々大暴落は得意であり、警戒レベルを間違えなければ大儲けチャンスであることに変わりはない。大きな戻りなどなくとも、パニック相場になるだけで俺には大チャンスなのだ。
弟にとってはトドメの1日となってしまったブレグジットだが、俺にとっては逆に上昇の大きな追い風となった。
この6月、俺は3か月ぶりに大きな利益を出せた。前半で少し大きなミスをした分100万には届かなかったが、それでも90万以上という十分過ぎる利益となった。
弟は5000万負けまでは知っているが、その後どうなったかは聞かなかった。
2016年はまだ半分経過しただけだが、とても考えさせられることが多い。
まずは自分の人生を薄めないようにと言い聞かせたこと、多くを望まず1日5万の狙いであれば俺にも不可能ではないということ。それでも大負けがあれば今でも精神崩壊するということ。
弟は相変わらず40万あれば1億にすることが出来るということ、そして1日たりともキープ出来ない流れは変わっていなかったこと。1億をキープする技術と精神は並大抵のものではないのだろう。
この先弟がどうなっていくのかはわからない。全くわからない。
では俺はどうなっていくのだろうか。
6月は大復活をしたように見える。しかし毎朝毎朝プレッシャーで吐き気がするのは変わらない。このまま頑張っていけば子どもが小学生のうちに家が本当に買えるかも知れない。
しかしその前に俺がストレスで病気になってしまう方が早そうだ・・・。
それでも俺は走り続けるしかない。
塾も一時期よりは生徒数が増えたものの、なかなか広告を出す余裕も暇もなく停滞している。ここに大きな伸びしろを期待するのは難しいように思うのだ。
家が欲しいと思うのであれば今はがむしゃらになって頑張るしか道はない。
1月、遠過ぎる目標の前の近い目標として妻を焼肉に連れていくというものがあった。
今回もそれと同じようにしてみよう。
7月は60万を目標とし、60万にいけば高級焼肉店に行こう。他の誰でもなく自分自身のために。そう思って7月に突入した。もうすぐ夏期講習も始まってしまう。
そうなれば株への情熱もどうなってしまうかわからない。
あれほど利益が出ていた2013年でさえ意欲を失ってしまったくらいだ。
なんとか良い形で夏期講習を迎え、株への情熱を失わないままに夏期講習明けの9月を迎える必要があった。そうでなければ家という目標ははるか彼方に遠のいてしまうだろう。
弟が今月負けた額の4分の1でいいから俺の手に入れば家も現実味が帯びてくるんだけどなぁ・・・。情けない兄だけどそんなことばっかり頭に巡っていた。